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時のゆりかご

開発コンセプト

1)スウィング方式でパワーチャージさせる。

 「時のゆりかご」以外のワインディングマシーンはすべて回転方式ですが、腕に装着されている時の自動巻腕時計のローターの動きはスウィングです。
 香箱内のゼンマイにまだ余裕があれば良いのですが、フルチャージされている場合、回転方式では満員電車に更に人を乗せようと押し込むのと同じで、外から更にゼンマイを巻上げようとする力が持続的に強く働きます。
 スウィング方式はフルチャージの場合、一度押して満杯だとわかるとラチェット機構によりスウィングの切替し毎に力を逃がし、メカニカルダメージを極力少なくする機能が働きますので、普段の腕への装着と同じ動きです。
 腕時計の自動巻上げ機構は電池の充電と同じで、過充電が長時間に渡り何回も繰り返し行われれば、コンディションは極端に落ちます。
 スウィング方式は自動巻腕時計の特性に合ったパワーチャージの方法で、無理矢理チャージさせない特性も備えています。

2)時間をかけてゆっくりチャージする。

 充電池では数分の充電で数時間持たすことのできる「急速充電」という機能がポケコンや携帯オーディオなどにはありますが、自動巻腕時計でも回転方式のものの多くは短時間に巻き上げを行い、しばらく休止してまた巻上げを行うという、急速充電に似た働きをしています。
 逆に言えば、回転方式では数分・十数分の内に1日量を巻き上げるだけのパワーとスピードがあるということで、時計のコンディションには構わず巻き上げてしまうと言うことも出来ます。
 「時のゆりかご」は一日の四分の一にあたる6時間を掛けて、ゆっくりとパワーチャージさせ、通常のコンディションであれば30時間分をチャージします。
腕時計を使われる場合は7・8時間腕に着けていることが多いと思いますが、普段の生活リズムを大きく変 えないでゆっくりパワーチャージさせることも、腕時計を大事にする要素です。

3)長期間置いても腕時計を帯磁させない。


 回転方式のワインディングマシーンで使用するモーターはすべて直流モーターで、永久磁石を使っていますから、写真(左)でお分かりのように鉄製の6ミリナットが20個ほど吸い付きます。
 小さいモーターですが、後ろ側までいけば30個以上は吸い付く磁力です。
 写真(右)は、「時のゆりかご」で使用している日本サーボ社製 SR1Gという交流シンクロモーターですが、永久磁石を使用せず磁場が存在しないため、脇に積み上げた6ミリナットを吸い付けることはありません。
 もうひとつの写真は、小生が工具として使用している外科手術用のペアンという器具ですが、作業台の近くにマグネット入りのドライバーがあるため、その磁場に曝されてご覧のように帯磁してしまいます。
腕時計のコンディションを悪くする要因の1つは、磁石の近くに放置することにより腕時計が磁気を帯びる「帯磁」で、ムーブメントの各パーツが帯磁しますとテンプなど微妙なバランスで動くものは遅れや進みの原因になり、軸受け部分は金属のカスが溜まり易くなります。
 腕時計の取扱説明書でも、スピーカーやハンドバックの止め金具など永久磁石を使った製品には近づけないようにという注意書きはありますが、ワインディングマシーンそのものが磁石では話になりません。
 「時のゆりかご」は最終調整が終了したところで、DEMAGNETIZER(消磁器)を使って、すべての磁性金属の磁気を抜いておりますので、年単位で「時のゆりかご」に保管していただいても帯磁することは一切ありません。

4)サポート・メンテナンス体制をしっかりと整える。

 写真は回転方式のワインディングマシーンで時計をセットする場所ですが、プラスティックの内筒がこすれて割れ、革バンドが挟まってしまい、腕時計取り外しの依頼でお客様から送られてきたものです。
 壊しても構わないということでしたので、腕時計救命のために挟みこまれた部分を切り取ったのですが、ボール紙やセロテープを使いかなり粗雑な作りであることがわかりました。
 製品のクォリティーは設計者・製作者・販売者の考え方ですので、とやかく言うものではありませんが、機械ものですから何が起こるかわかりませんので、トラブルが起こらない・起こさないための工夫と、万一起こってしまった場合には即応できるだけの体制を整えておく必要があります。
 しかし、多くのお客様からお聞きする話はひどいもので、同じようにものを作り、お客様が購入してお使いいただく立場からすれば誠にさびしい限りです。
 小生は信頼性の高い国産パーツを使い、何かのミスでご不便をお掛けすることはあるかもしれませんが、連絡をいただければ早急に対応することをお約束いたします。
 詳しくは、「修理・サポート体制」をご覧ください。

5)安全性の高い保管性能がある。

 以前ラジコンのヘリコプターを製作し飛ばしているときに、先輩から教えられたことは、「すべてしっかりと作るのではなく、壊れ易い部分を考えろ」という事でした。
 ラジコンヘリは比較的簡単に墜落するものですから、地上に落下したときにメインローターやメインシャフトなど安価で交換しやすいものが先に壊れて、無線受信操縦装置やエンジンなど高価で調整に手間取るものには落下のショックが及ばないようにするのが理由です。
 今では、乗用車のボディー構造でもフェールセーフとして、クラッシャブルな部分を作ってキャビン内の乗員を守る工夫がされ始めましたが、以前は剛性の高い丈夫なボディーが求められていた時代が長く続きました。
 「時のゆりかご」では、スウィングするトレーから腕時計が何かの拍子にはみ出て、BOXとの間に挟まれたことを想定して、フェールセーフを掛けています。
 トレーは合計750gの重量でも問題なくスウィングしますが、更に400g前後の負荷が加わるとモーターは空転します。
 空転が長時間続くと、軸受けに使っているプラスティックボールベアリングの固定部分が緩んで、トレー全体がせりあがり、万一腕時計が挟まれていたとしてもその時点でフリーになります。
 トレーに急激な加重が掛かると、軸受け部分が壊れてトレーに加わるショックを軽減する機能もあります。
 トレーの素材を軟質の桐材にしたのもその為で、「時のゆりかご」は傷ついても、腕時計が擦り傷やバンドの損傷などを受けないための配慮です。
 「オヤジの独り言9」に書きましたように、中越地震の時に「ゆりかご」に入れていた腕時計が助かったという報告がありますが、お客様の大事な腕時計をお守りするのも「時のゆりかご」の本懐です。
 傷付けることなく丈夫に、傷付けることなく柔軟に、小生も自動巻腕時計が大好きですから、「時のゆりかご」には思いの丈を盛り込みました。

ZENCRAFT アルチザン:尾崎善郎

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